病院紹介 院長ごあいさつ 患者さんへのごあいさつ
院長 関 紳一
埼玉県済生会鴻巣病院にアクセスしていただき有難うございます。
当院は、全国に80ある済生会病院の1つでありますが、沿革にもあるように済生会の中で唯一の精神科単科病院として公的な役割をとりつつ現在にいたっています。済生会は、その成立からの共通の理念として、「施薬救療」の精神が基本にあります。この精神は今後医療や福祉が先進的になっていこうとも、揺るがない部分であろうと考えていますが、我々はとくに精神科の領域で困った人たちへの医療と福祉を日々実践しつつ、その質を高めようと頑張ってきました。


ところで、現代の我が国の精神状況において、自殺者が急増したまま10年以上にわたり、職場復帰が果たせず長期休業を余儀なくされるケースが増え、抗うつ剤の投与が増える一方で過量服薬のケースが問題となるなど耳目を騒がせています。私自身も地域の自殺対策に関わっておりますが、減る気配の見えない自殺者の多さに専門家として強い危機感を抱いています。臨床の中の対応だけにとどまらず、予防対策を含めた地域での連携を模索している現状です。
これまで我が国の精神医療は民間病院に依存するかたちで入院治療を中心に歴史を刻んできましたが、現在精神科が守備範囲とする対象疾患が、小児期の発達障害から成人期の各種疾患(統合失調症、感情障害、アルコール・薬物依存症、解離性障害、摂食障害等)や老年期の認知症までと、その領域が広がっており、精神科の中においてさえ各々の専門家が必要とされるような時代になってきているのです。当院でも、これらの疾患に対して急性期から慢性期まで対応できるように精神科救急やアウトリーチなどの機能を整備していくつもりです。
さらに社会的役割をとるという観点からも、成年後見制度や触法精神障害者の鑑定・処遇、職場のメンタルヘルスへの関与、精神疾患の市民等への啓蒙など各種機関との連携を含む幅広い活動を求められています。
高齢化の一途をたどる我が国の中でも埼玉県はとくに、高齢化比率が高く、かつ人的資源を含む医療体制がそれに追いついていけない状況にあります。認知症の治療やケアが今後の我が国の将来を決めていくとさえいわれる待ったなしの状況の中で、当院は平成24年9月より認知症疾患医療センターの活動を始めました。今後も精力的にこの領域に関わっていく所存です。
今年度になって厚生労働省による施策の中で、医療計画の基礎となる5大疾患の中に精神疾患が入ることが決まりました。それだけ精神疾患による生命的予後や労働等の生産力への影響の大きさを物語っており、こころの問題をないがしろにして施策を進められない時代に入ったのだと思います。これまで述べてきたような社会的役割を不足なく果たしていくことを考えると将来に大きな責任を感じる毎日です。
はじめに述べましたように、医療を必要とするが経済的理由などにより困っている人たちに対し、今後とも“済生”の精神をもって精一杯関わっていきたいと思いますので、何卒ご指導をお願いいたします。
院長 関 紳一
済生会支部 埼玉県済生会鴻巣病院
恩賜
財団
社会福祉法人